シルキスと魔王さまが空に旅立つ。

風でなびく魔王さまの髪を、シルキスの手が包んでなだめる。

「これでおまえは、逃亡者だ」
「これで魔王さまは、自由です」

「自由か」
「でも、僕のそばを離れないでくださいね」

シルキスは、魔王さまが風やその他にとられないように捉まえておく。

「魔王さまは、こんなに小さいのですから」

「まだ言うかーっ」

ふたりの下に世界がひろがる。

シルキスと魔王さまの旅がようやく始まった。



──えぴろーぐ 終わり