壁と門を背に、シルキスは町にむけて馬を駆る。 何かのパフォーマンスではない。 馬を高速で走らせられる道が他にないからである。 町に入ると、皆が驚いてシルキス達を見た。 町の皆は、シルキスをよく知っていた。 困ったときは、よく頼って助けられた。 ここ数年、シルキスがしていた本当の仕事はなにか? 公にはされていなかったが、皆、暗黙の了解で知っていた。 だから、血を滲ませた包帯をなびかせるシルキスが大事に抱えているのは誰か? それもすぐに察しがついた。