シルキスとの戦いで、残った最後の一人はコラトさんだった。

他の兵士が懸命にコラトさんを守って戦った結果だった。

(人望あるな、いい人そうだものなあ)

シルキスは、思いつつグーで殴って決着をつけた。

全身からぼたぼたと流れる血。

槍で抉られた脚と、胸近くにできた銃創からの出血が特にひどい。

見えない背中のほうが凄いかもしれないが、

何か背中でぶらぶらしている感触は、切られた皮鎧だということに今はしておく。

「魔王さま~」

シルキスは、塔の扉を揺すった。