外に出た魔王さまの前に……、
シルキスはいなかった。

敵の兵士も。

全員がひとり残らず地面に伏している。

「シルキスううううっ!!!」

魔王さまは力いっぱい叫ぶ。

「はい」

声は、真横からした。

魔王さまが向くと、

シルキスは、血まみれで扉横の壁に背をつけ、脚を放りだして座っていた。

「全部、やっつけましたよ。魔王さま」

「うっ」
「う?」

「うわーーん」

魔王さまがシルキスに抱きつく。





──魔王さまと僕 終わり