閉められた扉の内側で、魔王さまは愕然とした。 すぐに開け返そうとして、手をとめる。 震える手。 魔王さまは、その手でクワを持ち上げた。 シルキスは始めてしまった戦いの最初、 必ず、この錠をかけさせる時間を生むために死力を尽くす。 自分がもたつけばシルキスは扉から離れられない。 クワの重さでよろめく、魔王さま。 早く、早く、自分に言いながら支えにはめる。