シルキスがコラトに出した条件はひとつ。 自分が魔王さまを殺し終えるまで手を出さないこと。 その前の会話を遮らないこと。 シルキスに任せれば、魔王さまは命をくれる。 そういう約束だと。 「魔王さま、これは何か分かりますか?」 シルキスは魔王殺しの刀身を見せる。 「ああ、私を殺す刃だ」 「落ち着いてますね」 「言ったろ、いつか来ることだと」 「僕のせいですね。魔王さまを寝たままにしておけば、こうならなかった」 「時間の問題だ。それが本物なら、順番は必ずまわってくる」