誰も彼もが、気の入った顔をしている。
魔王さまを恐れている者はひとりもいない。

持っている銃は、あのエルフ達のものには及ばないが人間の軍の中では新式だ。

それなりの精度と威力で連射できる。

ついでなのでシルキスも皮鎧をもらって着こんでおいた。

普段着よりは、心強い。

最後まで気になっていたシルキス以外の勇者の姿はない。

魔法使いや、教会からの派遣もない。

この不備はなにか裏があると思うが、今はもう考えない。

町長さんが、そのあたりの疑問を問う手紙をあちこちに出していたが、

答えを聞くことは、たぶんない。