「僕は、場末の野良ですよ」 シルキスは短く話す。 舌も変らず動いた。 「それでも、通常の人間を遥かに凌駕する羨ましい能力だ」 コラトは、友好をしめす声色でシルキスに言う。 シルキスは、照れた笑いを見せた。 そして、すぐに表情を戻して言う。 「魔王を殺すと言われましたが、」 この部屋で初めて魔王さまを呼び捨て。 「領内、いや領外であっても危険であると教えられてきました。このリスクを犯す意味を教えて頂けますか?」 「結論から言うと、我々は領内で安全に魔王を殺す方法を見つけた」