最初に町長さんが、シルキスに言った。

「例の壊れた扉の件で回答がきた」
「補修のめどがたちましたか?」

「いや」

町長さんは首を振った。
代わって、軍人の代表が答える。

「扉の補修は必要ない。我々が魔王を殺す」

シルキスは、表情をたもった。
心臓も、呼吸も、発汗も変化させなかった。

会議室にある全ての目がシルキスを観察している。

「驚かないようだね」
「常に予想はしていました」

「さすが勇者だ」

代表は、笑みをつくる。

「私は、コラト。魔王殺しの指揮を預かっている」