「馬鹿にするな!」
「でも、ずっと入ってないでしょう」

「私は魔王だぞ。体質として汚れないんだ」
「本当ですか?」

「とにかく下ろせ」
「とにかく上に。扉を開ければ多少は空気がよくなります」

「いらん世話を焼くな」
「世話係が僕の仕事です」

「ええい、私の言うことを聞け」

「魔王さまこそ、僕の言うことを聞いてください。こんなに小さいのだから」

「なんだと、こらーっ」
「上がりますよ」

シルキスは、駆け出した。