「なかなか交渉の糸口が見つかりませんね」 「これで交渉しているつもりか?」 「利害の一致を見せれば、魔王さまも気が緩むかと思いまして」 「ふんっ、とにかくおろせ。地面にではないぞ」 「はい」 魔王さまは、お姫様抱きに戻る。 このあほうがと言いながら、やはり胸にもたれた。 「塔の中に戻りますか?」 「いや、このまま中に入ったらおまえに何をされるか分からん。しばらく外だ」 「ずいぶんと信用を失くしてしまいました」 「少し失くすぐらいでちょうどいい。さもないと、」 「と?」