辺境の町。
その外れのさらに外れ。

つまり、
へき地中のへき地。

シルキスは、

でかい荷物を背負い、
でかい荷物を手に下げ、

閉ざされた、
どでかい鉄門の前に立っていた。

門は、
さらにどでかい壁の一部。

壁は、
高さも幅も厚みも半端なく、

シルキスがいる側と、
これからシルキスが入ろうとする側を、何百年も隔てている。

「よいしょっと」

シルキスは、
そんな威圧感ただよう門と壁の前で朗らかな声を出し、

「入りますよ」

と、荷物を持ったままの手で門を押し開く。