魔王さま100分の1

「仲良くしてるでしょう。十分に」

シルキスは言う。

口調と表情は変えずに、腕には全力を込めてリズを離さず、眼鏡を奪おうとする。

「嘘っ。だって私達がどんなに頑張っても、こんな街の端っこに閉じ込められて。本当のところ、街の人達は私達を信用していない。信用してないのに、信用しているようなことを言う」

酔っ払いの次は独白か。

リズの言っていることはシルキスも思っていたこと。

ゆえに本心で話す。

「そのとおりです。だけど本当に打ち解けるにはもっともっと時間がかかる。それだけの単純な話でもあるんです」

「もっと時間って、どれくらい?」
「長く長くです」