魔王さま100分の1

ここからが本番。

シルキスは、華奢なリズの身体をしっかり抱え込んだ。

リズの縦長の耳に口をくっつけ、大声で命令した。

「リズっ、魔法っ、とまれえええっ!!」
「ひゃいっ!!」

リズとシルキスの下に現れる、巨大な風のクッション。

ぼわんっ。

聞きようによっては間抜けな音がして、2人は今度は横に飛ばされた。

落下速度はさっきよりもずっと緩む。

代わりに、大きく軌道が変ったせいで拾ってくれる巨鳥がいない。

シルキスは空中で落下地点を探る。

運のいいことに、それなりの大きさの小屋があった。

ただの小屋にしては頑丈そうなのが吉、

シルキスはリズを守って小屋の屋根に背中から落ちた。

轟音ととも大破する屋根。
中に落ちるシルキス達。

シルキスは、梁に背中を打ちつけて減速し、リズを抱えたまま床まで落ちた。