魔王さま100分の1

「リズの近くによせろ、こっちが跳びつける距離まででいい」

巨鳥の背にしがみつくなり、シルキスはネーイに言った。

「跳びつくって?」
「言葉どおり、近くまでいって届くと思ったら僕が跳んでリズに抱きつく」

「そんなっ、命綱は?」
「繋いでたら届かないだろう」

通常、巨鳥の騎手は命綱で自分と巨鳥を繋いでいる。

今のネーイもそうだ。

風の加護で守られているとはいえ、不意の突風や巨鳥の急旋回で落下する危険は常にある。

「大丈夫なの?」

「あの屋根ぐらいのまでの高さなら落ちても痛いと思うだけですむ。それ以上は正直厳しい。それを頭に入れてくれ」

シルキスは言って、ネーイの返事を待たずにあげろと合図した。

ネーイは言われたとおり、巨鳥を浮かせてリズを追った。