ドガン、ドガン、ドガン、ドガン。

宿に戻っていい感じに寝ていたシルキスを、窓の外からの騒音が起す。

鳴っているのは、窓の落とし戸を外から叩く音。

シルキスは、一緒にとび起きる仲間を下がらせて言う。

「どちらさま?」

「俺だ、キーヤだ」

名乗られた時点でシルキスは靴を履き、身なりを整えた。

「どうした?昼間の決着をつけに来たか?」

その可能性も微かにあったので、戸を開ける前に訊いておく。

「困ったことが起きた、リズ姉が危ない。一緒に来てくれ」