というわけで、その日の夕食。
シルキスは、このエルフ達と栗の女将の店で席を囲んでいた。
「私はリズといいます。勇者さまの分は私達のおごりですので楽しんでくださいね」
奮発された料理と酒が並ぶテーブルを挟んで、あの叱りまくってた女エルフが自己紹介。
「こう見えても、空港の責任者のひとりなんですよ。直接の担当は鳥達と騎手の管理です」
エルフにしてはまるっこい顔。
たぶん伊達か何かの魔力品だと思う大きな丸眼鏡をかけて、愛想をふりまいてくる。
こうなると、仏頂面ではいられないシルキス。
「そうですか。僕も巨鳥には興味があります。知り合えてよかったです」
昼間つけられた傷の痛みをおさえつつ、笑顔を返したりする。


