魔王さま100分の1

尖った耳、細身の身体、白い肌、美しい髪、瞳。

どれも見物人達の期待どおり。
ここに来ていた人達は鳥よりもエルフを見に来ていたのだ。

『見ものだよ。鳥だけじゃなくて乗り手もね』

果樹園の人が言っていたのと、

門兵の人が手馴れた様子で見学者を柵の外に誘導していた訳もこれ。

(綺麗だとは思うけどね……)

騒ぎの中で、シルキスは冷めた目でエルフを見ていた。

と、エルフ達の方もシルキスに目をあわせる。

あった瞬間、男エルフが携帯していた銃をシルキスに向けた。

「へえ」

シルキスの口元が自動で笑う。