大きいな。
シルキスの素直な感想。
すべての鳥が、あの暴れ牛をひとつかみできるサイズ。
翼を広げれば、人の家を越えるかもしれない。
背には巨大な荷台が備えられており、その荷台を鳥の胴にくくりつける革紐もまた巨大であった。
この鳥達が空港を支える主力。
かつての大戦争で人間の街を徹底的に爆撃しまくったという、空の支配者である。
これで魔王さまの領地への侵入は可能か?否か?
シルキスは考える。
現在の公式な空路は、魔族の一部と人間社会の一部が協定を重ねに重ねて実現させたものだけである。
そういう意味では、魔王領に空から近づくのは不可。


