シルキスは、町から離れた交易都市に来ていた。

様々な地方から人と物があつあまり、辺境どうしをつなぐ、重要かつ活気ある都市である。

必然、規模はシルキスの町よりもずっと大きい。

中央の市場では大小の商会が自慢の品を出して商いをしており、

それを囲むようにやはり大小の宿屋や酒場、

さらに都市の出入り口には大勢のキャラバンを迎え入れる荷受場やら、馬小屋やら、税関やらがそろっており、

その合間をぬって場末の個人露店が、それぞれの個性を競ってにぎわいに輪をかけている。