「涼しい格好がお好みでしたら、別に用意しますから」

「どんなのだ?可愛いか?」

シルキスは、問われて、半袖半ズボンの魔王さまを想像する。

可愛くないことはないが、少し違う。

代わりに短いスカートをイメージしたが、中身が見えまくりになること確実なので却下。

それならば、布一枚を必要なところにだけ巻きつけた衣装を考えたが、これは考えた自分を恥じた。

「まあ、魔王さまは何を着られても可愛いので……」

「ふ、そういうことにしておいてやる」

魔王さまはシルキスに猶予をあたえて、畑のスイカや野菜を見てまわる。

「スイカをもう一個採ってもいいかー?」

離れたところから聞いてきたので許可をだした。

「いいですよー。食べごろなのを選んでくださーい」

「食べごろってどれだー?」

「魔王さまが、一番おいしそうだと思ったやつですよー」

「なんだ、一番大きなやつかー」

それでいいのでシルキスは頷いてみせた。