奏side


HRが終わった休み時間。


智はすでに男子に囲まれていて楽しそうに話をしていた。



智が引っ越していったのは小学校を卒業した時。

そして同じ小学校の子はほとんどがこの学校にいる。


だから智の知り合いは結構いるはず。






…ドンッ!!

「ひゃあ!」



昔を思い出していたとき突然誰かに背中を押された。


振り向くとそこには、
「びっくりした?」
そう言って笑う優梨。


「もうー優梨ってば驚かさないでよ!」


「だって奏、ずーっと大崎君見てるんだもん」



そんなに見てたのか私…


顔を赤くしたのを見て優梨は私を小突く。

「もしかして一目惚れ?」

「えぇ!?」


驚きすぎて大きなリアクションをとってしまった。


それを見た優梨は何かを感じたらしくしつこく聞いてきた。



「わかったよ!…実は前に話した初恋の人なの」




………。



あれ…無反応?



「優梨?どうかし…」