近距離恋愛【短編】

二人きりの帰り道。

ノブはあたしを抱きしめた。

人気のない住宅街。

あたしの顔は真っ赤。

ふと気付くと、目の前にノブの顔。

これ、キス??

ちょ!!

心の準備できてへんっちゅーねん!

『やめて!』

あたしはノブを突き放してしまう。

『そーいうの嫌や。

 そーゆうことするノブも嫌や』

呆気にとられた顔のノブ。

『あ、ごめん…』

違う。

嫌なんじゃない。