「ごめんね…重かったでしょ?」


学校に到着し自転車置き場で由貴は自転車を置いた


「めーちゃ重かったです!まさかこんなに重かったなんて思わなかったっすよ」


え…
そこまで言わなくたっていいじゃん

シュンと肩を下げている愛里を見て言った


「嘘ですよ!軽くてびっくりしました!!」

「いいよ気使わなくても…」



そう言って愛里はスタスタ歩き出した


(どうせ重いですよーだ)

そんな愛里を追って由貴は慌てて肩をたたく

そして愛里が振り向くと─


「ひっかかった」


由貴の人差し指が愛里の頬をつつくようにおしている


「麻村くんのバカー!もぅ知らないっ」


ぷいっと顔を背けた


「すいませんって!そんなに怒んなくていいじゃないですかー!それより…」


急に顔を覗き込んできた由貴に驚く

(ちかいー!!)


そんな気持ちをおさえながら怒っている顔を必死に保とうとしている


「俺のこと名字じゃなくて名前で呼んで下さい」

小さく口を尖らせて目を見てくる彼に目をそむけてしまった

「俺、彼氏ですもんね?」


そんな爽やか笑顔見せないでよ



「由貴…くん。」

「よくできましたー!」


頭を撫でられさっきの怒りなんてどこかにいってしまった