「あ、ボール拾いにきたんだよね」

そう言って彼女はボールを拾い上げ由貴に差し出した


「サッカー頑張ってね」


じゃあと言って彼女は去ってしまった





─────


「覚えてませんよね」

「ごめんなさい」


由貴は勢いよく頭をさげる愛里に戸惑い「いいんです!」と言って笑いかけた


「そうじゃなくて…あもちろんそのこともなんですけど…」


愛里はもじもじと俯き加減でちらっと何度か由貴を見て言う




「お気持ちはすっごく嬉しいです!ほんとにほんとに嬉しいです!!でも私恋愛とか向いてないから…だから」

「そうですか…」


愛里を困らせないようにと由貴はあははと苦笑いをした

が、



愛里は次の彼の言葉に驚いた


「一週間!!一週間だけでいいので俺と付き合ってくれませんか!?」


(…へ?)


愛奈は心の中でまぬけな声をだしていた


「でも私っ」

「わがままだってわかってます!でも一週間たったら俺諦めますから!お願いします!!」


深く頭を下げる由貴に困りはて仕方なく了承した

「ありがとうございます!!」


そう言って顔をあげた由貴は愛里の目にはきらきらと輝いて見えていた



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