子供がいれば愛情を一心に注ぐであろう。


大病を患いまだ身体が十分に戻っていない柚葉は妊娠してはいけないとドクターストップをかけられている。


このまま一生、子供を持てないかもしれないと柚葉が不安になっているのが琉聖にもわかるから気を紛らす存在(さすけ)をプレゼントしたのだ。


今では自分の赤ちゃんのように大事に育てている。


そんな柚葉を見て琉聖は安堵する反面、可哀想になってしまう。


自分はこのままでも良いと思っている。


柚葉さえ生きていてくれたら十分だ。


妊娠のリスクを犯してまで跡継ぎはいらない。


だが、柚葉は違う。


琉聖は一人っ子。


2人に赤ちゃんが生まれなければ真宮財閥の後を継ぐものがいないことになる。


何よりも柚葉はそれを心配していた。