あんなに混雑していたショッピングモール。

それが今は、人通りがまばらになっていた。

時計を見ると、9時になろうとしていた。

― もう、こんな時間か…。そろそろ帰ろう。

カラのコップをゴミ箱に捨てる。


あんなに何かを買いたかったのに、今はもうそんな気持ちは無くなっていた。


― あんなに必死で、ここに来たのになぁ。

そんなコトを思ったら、フフッと笑みがこぼれた。

― 何やってんだか…。私ってばっ。


帰ろう。帰ろう。
呟きながら、一人駅を目指した。