だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!

辺りはもう、薄暗くなっていた。


時間が経つのは早い。

「もう、こんな時間…」
私は、腕時計を見ながら呟いた。

「本当だ。ずいぶん、長話をしてしまったらしい…。ゴメンネ…」

うんん。
私は、首を振った。

本当は、もっともっと話したかった。

もっと、一緒に居たかった。


でも、私から言える勇気もなかった。

弱虫な私…



「そろそろ、帰ります…」

「あっ…、うん…」

「それじゃ、今日は楽しかったです」

「ぼ、僕も…」

「おやすみなさい…」
佐々谷圭介に頭を下げ、帰り道を歩く。



「ま、待って!恭子ちゃん?」
佐々谷圭介が、私を呼び止めた。

私は振り向き、彼を見た。


「あ、明日も…、その~、会えるかな?いや、無理だったら良いんだ…」
照れて、うつむき加減で私に言った。


「あっ…、はい…」

「本当?」

「はい…」


― あ~、良かった… ―
佐々谷圭介は、小さくガッツポーズを取りながら、胸を撫で下ろし独り言を言った。


「じゃ、明日。ここで」

「はい」

私は、佐々谷圭介に手を振り、彼を後にして家路に着いた。