チラッと斜め上から

希吏を見上げると

バチっと目があった。


どきっとした私わとっさに
目をそらす。

「い、家ここだったんだね。」


静かになったこの空気に耐えられなくなって

間を切り裂いた。


「ああ。バレちまったな。」

「おあいこでしょ。」

そう言うと、

フッ笑う希吏。

近くのベンチに並んで座り

近い距離にドキドキしながらも、
平常を装う。


(なんなんだろう…この気持ち、この感じ…)




はあっと息を吐くと

白い息が出る。


結構冷めてしまったココアを

ゴクリと飲みながら空を見上げた。



すると顔一個分上の希吏が
覆い被さるように顔を近づけてきた。