『なんかね…最近大斗とよく分からない喧嘩?言い合い?多いんだぁ…』
アハハッと夕陽はそう言ってカップの最後の一口を含んだ。
『それだけ、仲が良いって事だね』
マスターは笑う。
『うん…?何だかんだ…いつもすぐ仲直り、できる…かな?』
夕陽もにっこりと笑った。
カラン カラン
最近付けたらしい、ドアの鐘が鳴る。
『おい…』
そう言ってバツの悪そうな表情の大斗が入ってきた。
『大斗…、ごめんね』
大斗の顔を見て穏やかな笑みを浮かべて夕陽は言った。
『夕陽ちゃん、コイツの話し、聞いてやってね』
とマスターが席をはずすと、夕陽の隣に大斗は座った。
シーン
なぜか沈黙。
『『ぷっ』』
そして、2人は同時に吹き出した。
『鞄』
『ありがとう』
大斗が素っ気なく渡す鞄を受け取り微笑んだ。
『全く。世話が妬ける』
『はぁ?どっちがよ!!この女タラシ!!』
『一言多いんだよ!!可愛くねぇな!!俺だって反省してるんだ!!』
ガタンッ!!
大斗はカウンターに足を乗せて荒々しく言った。
『反省?反省してるなら、もっと しおらしく謝ったらどう!間違いなくアンタが蒔いた種だからね!!』
『あーあっ!!ごっめんなさぁいだ!!』
大斗はふざけた調子で返す。
ムカツク!!
…
!!
そうだ♪
『バカ大斗。本当に反省してるなら身体で示して貰おうかしら?』
意味深に笑う夕陽。
『はぁ?何だよソレ?!ほっぺにチュウかぁ?あぁ?』
大斗はニヤリと言った。
夕陽は瞳を見開いて大斗をみる。
やべっ…しまった。
俺、また余計な事言った気…する…
大斗が、あっ。と口を開けている内に、夕陽は踵を返しマスターに話しかけに行く。
大斗は焦りながらも動けずに夕陽を見つめていた。
しばらくするとマスターと夕陽が戻ってくる。

