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今日も清々しい朝。


広い部屋のカーテンを勢い良く開けると、待ってましたとばかりに部屋に入り込む光の筋。


「眩しい」思わず目を細める。

初めて正しく起きたのだ。

夕陽は沢山眠ったから朝からとっても元気。


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ガラッ!!


ふぅー。
まだ慣れない教室だぁ。


正しい時間に着いた夕陽は教室のドアを開ける。


神崎君は来てるかな?


出席番号順の席にむかい鞄を置いた。


教室に彼は…


まだ見当たらないっかぁ。


いろんな所でみんなが集まって話している。


教室には沢山の笑い声。


なんだか新鮮、クラスメイトだぁ。

でも…ちょっと出遅れたかも…

友達いない…。

入りにくい…。


完全に自業自得である。

そんな中―


『おはよう!片桐さん?!』

夕陽に声をかけて来たのは

『あたし、進藤南深(シントウミナミ)。よろしくね』


気さくに笑う可愛らしい女の子だった。


『おはよ。なんかさ、基本的に毎日空いてる席があって、いつ来るのかなぁて思ってたから、やっと会えたよぉ〜』


と人なつこく言う。

すごく感じのいい子である。


『…なんか、来るタイミングを逃してしまい…』


夕陽は気まずそうに答え苦笑いする。


昨日に続き相変わらず情けない初対面。


『さっき、もう一人いつも来てなかった人に会ったよ、神崎君!今日合わせて来るなんて、2人は前からの知り合いかなんか?』


あれ?神崎君来てるんだ?


『ちがうよぉ。全然知らない。昨日学校の前でたまたま会ったから喋ったけど』

『そっかぁ、違うんだぁ。なんかもう居ないねぇ…?どこいったのかなぁ。』


「うーん」と考えながら


『それにしても、今クラスで2人とも注目だよっ』


と、思い出したかのように明るく言った。