「遅刻した」

いたずらな顔の絵文字を語尾につけ、自信満々のメールが優司から届く。

私は「またか」とため息をつく。



優司は朝が苦手だ。
中学の時から、何度となく遅刻している。

卒業までのラスト1ヶ月、数えただけでも20回越え。
流石としか言いようがない。





「オレを助けて!」

「モーニングコールしてやろうか」



冗談のつもりだった。

しかし、

それが現実となれば
毎朝優司の声が聞ければ――



「まじっ!?
 やった、ありがと小木!」



あまりに唐突で、しかし、普通に話ができた。



「じゃあ、何時にする?」

「6時30分に頼む」





――どんなに嬉しいだろうか。



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