その日からずっと毎日、 金魚鉢は水かさが増して、 あふれそうになっていました。 二匹の金魚が流す悲しみの涙です。 どんなに晴れて水が透き通っていても、 涙で濁った瞳には 曇った緑色にしか見えなくなっていました。