里美があたしの方を振り向いて口パクで


「ニヤけすぎぃ〜」


そう言った。
へっ?そんなにニヤニヤしてた!?


先生が学校に復帰したのは卒業式を二週間後に控えた日だった。


「なんだか思ったより入院が長引いて、卒業間近になったな。
でもこのクラスは全員、卒業後の進路が決まったみたいでよかった。」


先生の生徒でいられるのは残りわずか。なんだか寂しい感じもするなぁ。


そんな複雑な気持ちのまま時間はたち…




―――卒業式当日―――



朝、最後の制服に袖を通して、いつもより丁寧にメイクをして、入念に髪を巻いた。