いや、先生の声を聞き間違えるはずなんかない。


勢いよく玄関のドアを開けた。


「先生…どうしたの?」


あたしはビックリして今、スッピンだということも、ヨレヨレの部屋着だっていうことも忘れてた。


「話しあるんだ。入れてくれない?」


先生はあたしの前だけ見せる優しい顔をしてそう言った。


「え?あ、はい、どうぞ。」


あたしの答えを聞いて先生が部屋に上がった。


何度か先生はあたしの部屋に来たことはあった。
初めて先生をウチに招待した時よりもドキドキしてるかも。


「なんだか、懐かしいな。」


そう言って先生はソファーに腰をおろす。