…気持ち悪い…
吐き気が波のように
押し寄せてくる。


恐らく"が"の死骸。


上履きの中に入っていた。
…上履き履きたくないよ…。
やだ…。


でも、下駄箱でずっと立ち止まってても
怪しまれるだけだから
私は2足の上履きを持って、
校門辺りまで戻る。


まだたくさんの人が
登校してくる。


…だから時間はまだまだ
安全なハズだ。


私は出来るだけ中を見ないようにして
学校の花壇に、
蛾の死骸を捨てた。


本当に…最悪…。
でも、彩ちゃんが教室で待っているかもしれない。


行かなくちゃ。
私は負けないって決めたんだから。


ティッシュを1枚ずつ
靴の底に敷いて、
私は思いきって下駄箱で
上履きを履いた。


履いてしまえば
平気だよね…。


スロープを使って
教室の前まで辿り着いた。


中からは
ガヤガヤとみんなの
騒ぐ声が聞こえる。


…それが、私が入ったら
シーンとなるのかな…?