「何で俺が安西なんだよ~。」


振り向くと青井先生。
…青井先生…。


青井先生は笑っていた。
職場いじめ、になんて
合っていないって普通に思うよ…。


先生、無理してるの?


「仲良いのは分かるけど
 俺とは間違えるなよなぁ。」


親指を立てて笑った。


辛くないの?
もう慣れちゃったの?


…それ…良くないでしょ。
…先生…。


「あ、そうだ。
 藤井、この前の授業サボったんだって?
 先生に注意されたぞ。」


今日の授業もサボってるよ…。


先生は健康そうに焼けた
手を私の頭の上に置くと
廊下を歩いて行った。


…先生だって辛いはずなのに…
こんな時まで先生の役目なんて、
私、必要としてないよ。


…───だから無理しないでよ…。


「美羽…?!」


えっ…今度こそ彩ちゃんかと思い、
ビックリして振り向いた。


彩ちゃんだった。
鼻が真っ赤だった。
目も赤い。