「まぁ…あなたたち、
 どうしてこんなに濡れているの?!
 …とにかく風邪ひくから
 こっちへいらっしゃい。」


私たちは体操着を持って
保健室にやってきた。


教室に入って、
体操着を取りに行ったんだけど…
友達に何も言われなかった。
全然異常なんてなかった。


愛美ちゃんたち…
クラスメイトに悪い噂とか
流すんじゃなかったの…?


ビックリして、
でも何だか嬉しくて彩ちゃんと顔を
見合わせて笑い合った。


これから嫌われるかもしれないけど…
だけど、まだ…ってことだから。


「どうしてこんなに濡れているの?」


保健の先生がタオルを引き出しから
出しながら言った。


「私たち、水道の水にハンカチ置いて、
 水を散らばらせちゃったんです~!」


私たちはおどけて、初めから
用意していた答えを言う。


保健の先生もそれを聞いて
ホッとしたように微笑んだ。


「見かけによらずヤンチャねぇ…!
 じゃあベッドで着替えなさい。
 カーテン閉めとくから。」


「有難うございます!」


保健の先生、優しかったね~
なんて会話しながら
私たちはベッドルームに入り、
カーテンを閉めてもらった。