「Excuse me.
 Is there a park near here?」


坂井先生の声が教室内に響く。
男の人だからやっぱり大きい。


この人…青井先生を無視してた。
この人も若くて元気な先生。
そんなことやるなんて…酷い。


『Excuse me.
  Is there a park near here?』


みんなの声も重なる。
よくあんなにすらすら読めるな…。


なんてくだらないことを考えていたら
もう坂井先生は次の文章を読み始めている。
あっ…大変。
私もあとに続かないとね。


「Are you alright, Mihane?」


先生の声。


「えっ…?」


美羽…?
私のことでしょ?
坂井先生、何…?


「英語で答えなさい。」


坂井先生がそう言って私を見る。
…クラス中の人たちがこっちを
見ているよ…。


恥ずかしい…!


「Let me see...I am alright.
 Thanks.」


おぉ、と言う風に坂井先生は目を丸くした。
わ…私だってこれっくらい出来るもんね!


クラス中の人もざわざわと話している。
ちょっと…そんなに私、頭悪いって
思われてたのかなぁ?!