(*^^)
「送って行くよ」

僕はしぃちゃんの申し出を丁寧に断り臨時のシャトルバスへと乗り込んだ。

満員のバスに揺られながら僕は最終節、鳥栖戦の事を考えていた。
一週間後の日曜日、観戦3試合目にして初のアウェー戦。
J1昇格へ向けて絶対に負けられない、いや勝たなくてはいけない一戦だ。

43節を終えて、大分は勝ち点77、得失点差は23の4位に着けてる。
1位は京都で既にJ1昇格が決まっている。
2位は今日勝って勝ち点80の山形。
3位に同じく勝ち点80の仙台。

大分がJ1昇格を果たす為には鳥栖に90分での勝利が必要だ。
それに山形と仙台が勝ち点の積み上げがない事。
この3チームが勝ち点80で並べば、得失点差に関係なく90分での勝利の多い大分にJ1行きの切符が手に入る。
条件は非常に厳しかったが、大分を応援するサポーター達は望みをまだ捨ててはいなかった。

「三度目の正直」か「二度ある事は三度ある」になるのか。



鳥栖へは僕の運転する車で行く事になっていた。しぃちゃんはナビを買って出た。
応援バスツアーも企画されていて、そっちを利用する事も考えたが、しぃちゃんの「デートみたいで良いね」の一言で決まった。

僕はもう立派なサッカー中毒患者へと変貌を遂げていた。

次の日曜日が待ち遠しかった。



そんな事を考えているうちにバスは大分駅前へと到着した。
バスを降り、パルコ前に止めていた自転車に跨がり家路を目指す。

夕方の冷たくなった空気が汗ばんだシャツを撫でていく。

(´・ω・`)
「明日からの仕事もがんばろう」

独り言を呟きペダルを踏み込む。

サッカーってそんなパワーも与えてくれるんだな、とつくづく思った。







一週間はあっという間に過ぎ、決戦の日は明日へと迫っていた。

(´・ω・`)
(明日は5時起きか・・)

しぃちゃんとは6時に大分駅での待ち合わせだった。