「やぁ、ご苦労様。」 ハウスに入ると、すでに柴山先生は作業を始めていて、彼の額には汗が滲んでいた。 「君たちは、完熟しているトマトを収穫してくれるかい?道具はここにあるからね。」 僕らはすぐに作業にとりかかった。 軍手をはめて、真っ赤なトマトを手に取り細い柄からハサミで一つ一つ丁寧に切り離していく。 「どうだい、トマトって美しい野菜だろ?」 気が付くと先生が隣に立っていた。