「あーーーーっ、私、なんか物凄く吹っ切れた感じ!今はピアノが弾きたくてたまんない!」

そう言うと、松浦は勢いよく立ち上がり、パンパンと体についた藁屑をはたき落とした。僕もつられて立ち上がる 。


「タイチも、ちゃんと答え見つけなくちゃね。」

彼女はにっこり笑いながら言うと、”さぁて、行きますかぁ”と自転車のサドルに腰掛けた。


「ねぇ、ついでだから、美瑛の名所全部廻っちゃおう!」

僕も頷くと自転車にまたがる。
気がつくと時計はもうお昼をとっくに過ぎていた。