「じゃあ───── 藤咲さんの隣に座ってもらおうかな。勇司くんは賢司くんの前で」 教室はざわめく。大神は皆の好奇の目を全く気にせずこちらに来る。 後ろでは菊久乃が騒いでいた。 「ね、ね、賢司くんも勇司くんもかっこよくない?」 そうかな、ともう一回大神たちの方に目を移した。 「──わっ!」 さっきまであっちにいたのにもう隣に座っていたから思わず驚いた。 「…んだよ」 大神はこちらをじろりと睨みつけると舌打ちをした。