「な…」 「『なんでー?』じゃない。」 水華はムスッとした。 「考えてもみろ。 アイツらは職員室にいる可能性が高いんだ。 あそこは校内の冷暖房を管理してる。 だから、俺たちがクーラーを付けると居場所が分かっちゃうんだよ。 はぁ…分かったか?」 一気にしゃべったせいか、 木本は息が少し上がっていた。 「…ごめん、そうだよね。 よく考えたら当たり前だね…。 木本と違って、私、バカだなぁ…。」 落ち込む水華を横目に、 木本はこう言った。 「…『バカ』っていうのも、一種の才能だと思うが。」