沙弥は自分のカバンから、
電源を切ったままのケータイを取り出した。


「岬はやっぱり…真面目だよ。」


木本が苦笑いしながら、
ブレザーのポケットからケータイを出す。


「私も、
フツーに電源入れっぱなしでポケットに入ってるもん。」


「俺も同じく。
古典の授業中でも、暇だからケータイいじってるし。」


うんうん、と金石に同意する水華と木本。


「えっ?!
みんなそうだったの?!

っていうか………。
授業中はちゃんと先生の話聞けよー…。」


真面目に授業を受けていた沙弥には、
授業中にケータイをいじるということが理解できなかった。