水華と木本は、
はぁ、とため息をしてその場にしゃがみ込んだ。


沙弥と金石もため息をした。


すると、
沙弥が「あっ」と小さく声を上げた。


「どうした?」


と、金石が聞くと、


「安心してる場合じゃない、と思って。」


と真剣な顔を金石、水華、木本に向けながら言った。


その言葉で緊張感を呼び起こした3人。


「そうだよね…いけない、いけない。」


水華は自分の頭を軽く叩きながら立ち上がった。


木本も立ち上がると、
沙弥は荷物が置いてある机にかけ寄ってこう言った。


「まずはケータイを出さないと。
これから2人ずつに別れるから、
連絡手段がなきゃね。」