「やったね!沙弥!!」


と、水華がかけよる。


「よく頑張ったな、岬。」


笑顔で木本と金石もかけよった。


「言ったでしょ?
『絶対負けないから』って。」


沙弥は少し微笑むと、
すぐに真剣な表情に戻った。


(急にどうしたんだろう…?)


と、3人は疑問に思ったが、
深くつっこまないことにした。


すると、沙弥はぼそっと呟いた。


「…まだ何か…大切なことを…忘れてる気がする…」


「あたしの失われた記憶は…まだまだある…」


「それはきっと…大切なことなんだ…

思い出さないと…」


「…岬。」


金石が、独り言を呟く沙弥の肩に手を置いた。