隣の席に座っている水華は、
案の定先生の話を聞いていない。


(自覚ないのかな…ホントに進級が危ういのに。)


沙弥はそう思った。


一方の金石は、ちょっと顔が歪んでいる。
いかにも「まずいな」といった表情だ。


木本は肘をつきながら、
ボーッとしている。


木本はいつも沙弥と学年トップを争っているので、
先生の話に耳を傾ける必要がない。


「ま、とりあえず!
夏休みに1学期の復習ちゃんとやれよ!」


先生は夏休みの勉強について話し始めている。