沙弥に追い討ちをかけるような言い方だ。


(あと5分か…
あたしは答えられるのかな…)


沙弥は、とてつもない不安に襲われた。


でも、不安に襲われてる場合ではない。


そんな時間は残されていない。


(みんなに…言うべきなのだろうか…)


少し考え、沙弥は言うことにした。


「…みんな……
実はあたし…
両親の記憶が、あんまりないんだ…」


突然の沙弥の告白に、4人はとても驚いた。


「正確には、
5歳になるまでの記憶がないんだ…

もちろん…両親の出身地なんて…
知らないんだ…」


震える声で、申し訳なさそうに沙弥は言った。