「やったー!」


クラスの誰よりも先に叫んだ水華。


続いて、


「解放されたー!」


と叫んだのは、
沙弥や水華と仲のいい金石隼だ。


そんな金石は無視して、
さっさと帰る支度をしているのは、
沙弥、水華、金石の友達の木本大だ。


「ほら!席につけ!」


ざわつく教室に、
担任の桐谷先生が一喝した。


「今日までお疲れ様。
監督の先生から聞いたけど、
何人か試験中寝てたらしいな。
今回の試験は、進級にも関わるんだからちゃんと受けろよ!
全く…どうなっても知らないぞ。」


桐谷先生はため息をつく。